エタニ電機|音響用測定機とデジタル信号処理装置の開発・製造

異音検査(Rub & Buzz) ツール

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1. ツールの意味

S-255型は、低レベルの異常音を高速に検出する能力を持っています。 異常音検出は、次の仕組みで取り出しています。

①異常音は、スピーカのドライブ信号の高次高調波成分として表れることを利用して主信号との分離を行います。

②異常音が、ドライブ信号と相関を持つ成分で構成されていることを利用して、雑音除去を行います。 これらを組み合わせることで、異常音の検出能力や耐雑音性に大変優れ客観的に良否判定が出来るため、エタニ電機が20年以上に渡り推進していているものです。

②は自動的に行われる仕組みなので、設定の必要はありません。 一方の①は、通常のスピーカでも発生する高調波歪と異常音によって生ずる高次高調波成分とを、基本波とトラッキングで可変可能な遮断周波数をもつハイパスフィルタで分離します。 したがって、ハイパスフィルタをどのように設定して異常音を有効に分離するかが、使用上のポイント になります。

これを観察するツールとして用意したのが、ここで説明する「異常音分析ツール」です。

このツールでは、
・測定検査ソフトへの機能強化: 検査用のマイクロホンで採取した音をデジタルで録音する。
・ソナグラフ: 録音した音を周波数分析して、正常音と異常音の成分の違いを可視化して表示する。 時間と共に変化するマイクロホンからのスイープ音の変化を、時間:周波数成分のレベル変化 として表示するものです。


ソナグラフの分析結果を元に、
・通常品で現われる歪成分はフィルタ成分に取り込まない
・異常音と認められる部分のみが通過するようにカットオフ周波数を決める
となるような、ハイパスフィルタのカットオフ周波数の設定を行います。

2. S-255 異常音分析ツールの使い方

次の手順で、ツールを使用します。
① 正常品と異常品のサンプルをそれぞれ準備し、S-255を使って測定する。
② 測定検査のときに、波形データをファイルに保存する。
③ 保存した波形データを、ソナグラフで開いて観察し、フィルタの定数設定を行う。必要なら、サンプルを変えながら複数のソナグラフ画面を開いて、画面上で比較し、フィルタの定数を検討することができます。